2003年カレンダー

気の早い話だが、仕事の関係で2003年のカレンダーが必要になった。早速HRマネージャーのMr.Mahathir(仮称)に制作を指示した。彼は仕事が速く即日原案を持ってきた。ところが毎年の事ではあるが、ここからが私の頭痛の種となる。彼の作成した2003年度カレンダー原案をごらん頂きたい。マレーシア在住のほとんどの方が首をかしげる筈である。

「ハリラヤプアサ(112627日)休暇が9日間あるのに、なんで中国旧正月(212日)が3日間しかないの? それにどうでも良いハリラヤハジ(21213日)になんで5日間も休む訳? ディパバリ(1025日)休暇は無いの? あれっタイプーサムは祝日にしないの・・・・・?」 


マレーシア労働法では4日間の強制的休日を含め、年間10日間以上の祝日(オレンジ色表示)設定が義務付けられている。通常は強制的祝日に各民族の祝日を加え、10日間を超える会社が多い。この祝日は社員の民族比率、地域特性、取引先との関係を考慮し会社が任意に設定することになる。更に年末年初のフェスティバルシーズンであるハリラヤプアサ、中国旧正月、等には土曜日振替出勤や有給休暇消化日(グリーン色表示)として休業日にしてしまう。だから州によって、また会社によって祝日が違う事になる。私の勤める会社はケダ州にあり、ペナンと比べイスラム色が濃いので、どうしてもマレー人中心のカレンダーになってしまう。

マレーシア人である前にマレー人であり、敬虔なイスラム教徒Mr.Mahathirの作成するカレンダーは「ブミプトラ カレンダー」である。善意で解釈すれば従業員のマレー人比率95%なので解らなくも無いが、よくもこのような華人やインド人を完全に軽視したカレンダーを提出できるものだ。

原則として労務問題はMr.Mahathirに任せてあるが、民族問題が絡むと仲裁に入る必要がある。以前彼の原案通りカレンダーと年間行事を任せた際、華人社員から「アンフェアだ!」と猛反発があった。そこで私は毎年恒例となった修正指示をする事になる。「中国旧正月は5日間、ディパバリ休暇は最低3日間にしなさい。ハリラヤハジは3日間に減らしなさい。休みは土曜日振替か有給消化日で調整しなさい。」 彼は悲しい表情でそれを聞き、指示どおりに修正する。民族融和がいかに困難であるか、このような些細なことからも理解できる。

一方で2003年のカレンダーによると年間就業日数は258日で就業時間にして2,170時間である。原則最終土曜は出勤日なので、完全週休2日ではない。日本の会社より年間18日間、時間にして250時間以上長い事になる。ここにもうひとつの気の毒な民族「日本人」がいる訳である。

(2002316)

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