通勤用車両の売却 | ||||||||||||||||||
1999年12月に駐在員のひとりが帰任する事になった。会社より支給されていた通勤用車両が不要になったので売却する事にした。早速ローカルスタッフにスンガイペタニの中古車販売業者に見積もりを取らせた。1998年10月に約RM 62,000(諸費用込み)で購入し1年2ヶ月使用、走行距離が約12,000kmのProton Wire 1.6AT(最上級車種)の引取価格は最高でRM 42,000であった。 日本では1年間乗れば半額、5年間で粗大ゴミになる中古車だが、マレーシアではProton、HONDA、TOYOTA、等の人気車種は日本ほどリセールバリューが下がらない。5年乗っても半値以上で売却でき、10年以上のポンコツでもRM 10,000を下ることは無いという。これは単に国際競争とは無縁の国内新車価格の高値安定がなせる技であろう。 一方新聞広告を見ると97年型のProton Wire 1.5がRM 46,000で、94年型のProton SAGAでさえRM 250,000という高値で売り出されている。ただしこの値段はネゴが入ることを前提に高めに設定されてあるそうである。更に売却の噂を聞いた社員や業者、ついには全くの他人までが「購入したい」と申し出て来た。聞くとワンオーナー、ローマイレージの優良物件だそうである。中古車業者ではRM 42,000だった引取価格が最高RM 45,000まで跳ね上がった。ところがHRマネージャーから以下の個人売買のプロセスを聞いて驚いた。
なんと全額受取る前に名義変更(5.)されてしまうのである。これは買主の金融機関における借入手続き(6.)に必要だそうである。つまり買主が名義変更後に残金を支払わず所有権を主張しようものなら面倒臭い事になる。経済危機が収束せぬ昨今、私の知る業者の多くは売掛金回収に苦労している。安定した収入を基に計画性を持って買物をするとは思えない。「悪いね、あんたらをそう簡単に信用する訳にはいかんのよ。」 という訳で小心者の私は、現金引換え(C.O.D/Cash On Delivery)を条件に、確実な回収が見こめる中古車販売業者にRM 42,000で売り渡した。 (2001年11月10日) |