携帯電話
 

私の会社では駐在員とその配偶者に緊急連絡用として携帯電話を支給している。赴任直後の19988月購入した初代の携帯電話はEricsson-GH688で眼鏡ケースサイズであった。今となってはでかくて重い携帯だが、当時の購入価格はRM1,080(本体、スペアバッテリー、アクセサリーでRM768、登録料がRM300)であった。更にこの携帯は電波受信状態が悪いだけでなく、ニッカドバッテリーは1日しか持たないという不便な代物であった。しかしそれは本社人事部の所有物である。自動車や住宅もそうだが、会社から無料で支給されている備品類は勝手に買い換える事は出来ない。

そして20002月、ようやく本社の決裁を取り付け、現在のNokia-5110に買い換えた。購入価格は初代のEricsson-GH688 同様RM769であった。受信状態やバッテリー持続時間は改善されが、小型・軽量・高性能な日本の携帯電話に比べるべくもない。その後マレーシアの携帯電話も進化を遂げ、でかくて重い私のNokia-5110はすっかり時代遅れになってしまった。それに対しローカルは新モデルが出ると古い携帯を下取りに出し新モデルに買い換える。だからローカル女性クラークの方が私より最新型の小型軽量携帯電話を使っている。なんとも納得いかない状況である。そんなある日の事、近隣日系企業の加藤氏(仮称)が来社した。

加藤氏  「Claytanさんの携帯、Nokia-5110でしたよね」
Claytan  「そうですよ。」
加藤氏  「私の携帯と交換してくれませんかね?」
Claytan  「いや、駄目です(きっぱり)。これは本社所有備品なので。」
加藤氏  「そうですか、これなんですけど。」 と言ってNokia-8210を見せる。
Claytan  「ううっ・・・・・。」
加藤氏  「駄目ですか?」
Claytan  「やっぱ良いです。交換しますぅ。」

加藤氏は最近買い替えた車にNokia-5110(現在私が使っている携帯)専用チャージャーが付いていたが、既に製造中止で中古市場にも出回っていないので入手できなかったそうである。重くてでかい私の携帯電話は、節操と引き換えに棚ボタ式に最新モデルに変身した。写真は左から−.
@Ericsson-GH688  初代
ANokia-5110  2代目
BNokia-3310  現在お買い得モデル
CNokia-8210  3代目(今回ゲットした)
DDunhill Light  煙草です(単なる大きさの比較)

マレーシアでの携帯電話普及率は約13%で、シンガポールには及ばないものの他のASEAN諸国に比べダントツである。特に都市部において我々外国人と接するローカルは、全員持っているといって過言ではないだろう。彼等は病院だろうと映画館だろうと所構わず大声で電話を掛け、会議中だろうと説教中だろうと掛かってきた電話は躊躇無く取る。彼等にとって携帯電話は自動車同様に必需品でありステータスシンボルなのであろう。

ペナンでも街のショップで簡単に携帯電話を購入する事ができる。ハードは現在Nokiaが圧倒的なシェアを占めており、ほぼ名刺サイズのBNokia-3310ならRM450程度で買える。更に私の2代目のANokia-5110なら中古市場でRM100以下である。そしてもはや初代の@Ericsson-GH688などは骨董品であり誰も買わない。また替えボディー、バッテリー、等のアクセサリー(勿論海賊版である)を扱うアフターマーケットも発達している。

通信サービスは MaxisCelkomDiGi TelekomTime Telekom、等56社が営業しており、ショップで簡単に登録できる。通常はハードとは別に登録料がRM100150掛かる。また外国人の場合RM1,000以上の保証金を取られる事が多い。通話料は月額基本料RM50程度で、市内通話RM0.150.30/分である。金の無いローカルは月額基本料の掛からないプリペイド方式を使う事が多い。加入すると右写真の様なチップが支給される。これを携帯電話に装着する事でアドレス帳やメッセージ等が記憶され、電話を換えてもチップの入れ替えですぐに使える訳である。

通信会社や契約種類にもよるが、通常はボイスメッセージ(留守録)機能は勿論の事、ライトメッセージ機能(携帯→携帯)、メール送信(携帯→PC)機能、メール受信(PC→携帯)機能、等が備わっている。オヤジの領域に入った私は当然ながらこれらの機能を完全に使いこなせていない。

通信各社は激しい加入者獲得競争を繰り広げている。通話料は政府のコントロール下にあるため、登録料の値下げ競争が起こっている。かつてRM300 した登録料だが現在では無料に等しい。例えばハードだけでRM450のANokia-3310だが、Maxisに加入すると登録料込みでRM400で買えると言う奇妙な現象が起きている。つまり客が他の通信会社からのMaxisに乗り換えれば、ショップはリベートを手にするという事だ。

2002813日)

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