衣料に関わる有機化学

アゾ染料

アゾ化合物(アゾ基-N=N-を持つ化合物)のうち、ベンゼン環を持つ化合物は一般に黄色〜赤であり、これらのうちには染料として用いられるものが多い。それらをアゾ染料という。 メチルオレンジもこの仲間である。

アセテート繊維(半合成繊維)

セルロース中の水酸基を全てアセチル化すると、トリアセチルセルロースができる。これは難水溶性なので、穏やかに加水分解して、ジアセシルセルロースまで戻す。こいつはアセトンに溶けるので、ジアセチルセルロースアセトン溶液を作り、細孔から暖かい空気中に押し出してアセトンを蒸発させると、繊維ができる。これをアセテート繊維と言う。 参考:アセテート(acetate)とは酢酸エステルを意味する。

レーヨン

セルロースを化学処理して(セルロースであるには違いない)コロイド溶液にして、細孔から押し出すと、繊維ができる。この繊維をレーヨンと言う。

銅アンモニアレーヨン

Cu(OH)2とconcNH3aqとセルロースを混ぜた溶液をdilH2SO4中に押し出して作るレーヨンの事。 ちなみに Cu(OH)2とconcNH3aqの混合物 をシュバイツァー試薬と言う。

ビスコースレーヨン

セルロースをNaOHaqでアルカリセルロースにして、二硫化炭素CS2と 反応させ、dil NaOHaqに溶かした溶液ビスコースを細孔から dilH2SO4中に押し出して作るレーヨンの事。

再生繊維

セルロースをいったん、 コロイド溶液にしてから、セルロースを再生させて作る繊維のこと。銅アンモニアレーヨンやビスコースレーヨンもこれに含まれる。

合成繊維

ビニル基を持つ化合物は付加重によって高分子化合物になる。これを合成繊維という。 例として、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ビニロン等がある。

ビニロン

ポリ酢酸ビニルをケン化してポリビニルアルコールを作り、これを(親水)コロイド水溶液にして、細孔から硫酸ナトリウム中に押し 出すと繊維状に凝固する。 このままでは水に溶けるので(繊維として使えないので)、ホルムアルデヒドでアセタール 化して、水に溶けないようにする。こうしてできた繊維をビンロンと言う。 ただし水酸基は全部つぶさない。 水酸基の60〜70%は残しておく。そうすることで、適度な吸湿性を持っている。

アセテート繊維とレーヨンの違い

どちらも セルロースから できている訳だが、アセテート繊維はアセチル化しているので「セルロースではない」 訳だが、一方でレーヨンはセルロースである事そのものは 変化していない。ここが決定的に違う。


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