酸化還元半反応

酸化還元反応は、中和反応等と異なり、適当に書いて数を合わせて作る事ができる程簡単ではありません。

酸化還元反応は複雑なので、いきなり直接書かず、基本になる「半反応式」をまず書いて、それを組み合わせて全体の反応式にする事をお勧めします。

「半反応式」とは、

KMnO4 + 8H+ + 5e- Mn2++K++4H2

2Cl- Cl2 + 2e-

の様に、電子の授受が見える形で書いた式の事です。

この様な「半反応式」を何本か書いて、組み合わせる事で、比較的簡単に、酸化還元反応式が書けるようになります。

例えば上の式の例で言えば、上の式を2倍、下の式を5倍して足して見てください。

という反応式が出来上がります。

ですからまず、如何にして半反応式を書けるようになるかが大事です。

ここではその方法を説明してみましょう。

半反応式の作り方

  1. 両辺に主反応物質を書く
  2. 両辺の酸素原子の数を、水を加えて合わせる
  3. 両辺の水素原子の数を、水素イオンを加えて合わせる。
  4. 両辺の電荷を、電子e-を加えて合わせる。

では実際に、上に書いた

KMnO4 + 8H+ + 5e- Mn2++K++4H2

の作り方を説明してみましょう。

まず、MnO4-がMn2+になることは、覚えている必要があります。これをまず書きます(両辺に主反応物質を書く)。

MnO4- Mn2+

でも、これでは、左辺に酸素が4つ多すぎるので、水を加えます。(両辺の酸素原子の数を、水を加えて合わせる

MnO4- Mn2+ + 4H2

これで酸素の数は合いましたが、そのせいで、水素の数が合わなくなります。

そこで、左辺にH+を加えて調整します。(両辺の水素原子の数を、水素イオンを加えて合わせる

MnO4- + 8H+  Mn2+ + 4H2

でも、こうすると、電荷が合わないですよね。そこで電子を加えて、つじつまを合わせます。(両辺の電荷を、電子e-を加えて合わせる

KMnO4 + 8H+ + 5e- Mn2++K++4H2

これでOKですね。

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