有機化学とは何か

今まで学んだ化学との違い


はじめに

さて、現在の教育課程では、有機化学は大抵の高校では、高校二年生と高校三年生に二回に、分けて学ぶ事が多くなったようです。

有機化学はその名前から分かりますように、「有機化合物」(炭素と水素からなる化合物)を扱う化学です。

有機化合物には、例えば メタン:CH4やエタン:C26 などがあります。

「え? メタン位、今までの化学でも学んだよ。」

と思う人も多いでしょう。

そうですね。例えばメタンの燃焼反応、

CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2

は大抵、一年生で学んだでしょうし、「容器に2atmのメタンを温度300Kで入れた場合、体積はどのくらいになるか?」とかいう問題を解いた経験もあるでしょう。

では、ここで改めて学ぶ「有機化学」とは、今までの分野とどう違うのでしょうか?

考え方の違い

メタンとエタンは違う物質です。分子式も違います。けれどどちらも気体で、あまり水に溶けず、容易に燃えます。塩素と混ぜて紫外線を当てると、塩素化するという点も似ています。

一方で、メタノールとジメチルエーテルは、どちらも分子式は C26Oで共通しています。

にも関わらず、この二つの性質はかなり違います。エタノールは液体で、水に非常に良く溶けます。液性は中性。御酒の主成分です。

でもジメチルエーテルは常温で気体で、水にはほとんど溶けません。今は使われていませんが、以前は全身麻酔に使われていたそうです。液性は正確には弱塩基性です(が、非常に弱いので、中性と覚えて下さい)。

でも、メタノールとプロパノールは分子式が違いますが、性質は似ています。プロパノールも非常に水に良く溶ける液体です。やはり液性は中性です。

メチルエチルエーテルもプラパノールとは性質はあまり似ていません。むしろジメチルエーテルに似ています。

エタノールとアセトアルデヒドは、見た目は割と似ていますね。プロパノールとプロピルアルデヒドもそうではないでしょうか。 でもこれらの性質は似ていません。むしろ、アセトアルデヒドとプロピルアルデヒドは似た性質を持っています。

いったいどういう場合は性質は似ていて、どういう場合が違うのでしょう?

分かりましたね。そうです、分子の性質は分子式だけでなく、構造の中に似たような結合があるかないかが問題になるんです。

実は有機化学は、「構造の共通点に注目して、分子の性質を考える」化学なんです。

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