愛車の処分
     

「にわか中古車ディーラーにはご遠慮願う」

引越しを済ませた翌週、自家用車Proton-Wire 1.6AT を売却処分する事にした。この車は駐車場で「ヤモリ君」の糞攻撃にさらされ続けたが、女房の忠実な僕としてジョージタウンの裏道を徘徊すること5年。客を捕まえて「おまえ」と呼ぶ修理工陳さんに面倒を見てもらいながら、走行距離は約45,000km。。実によく働いてくれた。

しかし何処から帰国の噂を聞きつけたのだろう? 知り合いの華人達がにわか中古車ディーラーに変身、「私が売ってやるよ。」と申し出て来た。ただし親しい間柄のローカルであれ、金銭が絡むとトラブルの元である。ここはやはり信頼できる業者か日本人への売却が安全だろう。幸いにも会社が市場価格(約RM30,000)で買い取ってくれる事になった。リセールバリューが高いと言われるプロトンだが、最近は中古車市場もだぶつき気味で下取り価格も下落傾向にあるようだ。

「名義変更は面倒くさい」

さてさて名義変更手続きはJPJ で行う訳だが、申請書はもちろん構内サインボードも全てマレー語である。到底私の手には負えない。そこで売却手続はすべてHRマネージャーMr.Mahatir(仮称)に頼む事にした。ただし個人名義車両は売主がID(パスポート)を持って、直接 JPJ に出向かなければならない。これは盗難車が多いマレーシアのお国柄である。

200392日、Mr.MahatirとバターワースのJPJで午前7:30に待ち合わせた。窓口が開く午前8時前に並ぶ事が重要だからである。さもなくばマレーシアペースのお役所仕事で、午前中がまるまる潰れてしまう事になるだろう。営業開始と同時に申請したが、手続きにはたっぷり1時間掛かった。

     

5年間ジョージタウンの裏道を
駆け巡ったプロトン
Wire 1.6 AT

バターワースの
JPJは南北ハイウェーと
クリムハイウェーの交差点付近にある。

午前
8時のJPJ 2階の名義変更窓口。
既に大勢の人営業開始を待っている。
     
     
     
「盗難車の疑いで登録証を差し押さえ」

そして4年間に渡りマレーシア半島を駆け巡り、地球をほぼ15周した私の相棒 Peugeot 406 を売却処分する時が来た。平凡なスタイリングではあるが毎朝駐車場で静かに私を待つ姿には心が和んだ。これがProton WireWaja だったら毎日の長距離通勤に嫌気が差していた事だろう。マレーシアでは人気の無い仏車は当然ながらリセールバリューは低い。それでも走行距離約200,000kmにもかかわらず、RM 400,000600,000で売却できる。

この車は社用車、つまり会社名義なので売却処分はすべてMr.Mahatir がやってくれる。私は基本的には何もしなくて良いので楽チンである。ところが中古車業者に引き渡した翌日、私の元に連絡が入った。「あの車は盗難車の疑いがある為、登録証をJPJ に差し押さえられ。売却はもちろん名義変更すら出来ない。」 と言うのだ。

「阿呆で融通の利かない・・・・。」

マレーシアでは車検制度が無いが、商用車(Commercial Vehicle )には6ヶ月に一度、JPJの定期車体検査が義務付けられている。この車体検査はRM100,000を超える高額車両の売買の際も適用されるらしい。盗難、密輸、違法改造防止の為であり、登録証と車体番号及びエンジン番号照合程度の簡単なものである。この検査でエンジン番号が登録証と違うと判定されたのだ。

違うといってもエンジン番号が打刻ミスでダブルパンチされているだけである。メーカー出荷段階でのミスであるが、愚かなJPJ 検査官が2文字に見えると判断したのだ。融通の利かない役所が一度判定すると、抗弁には気の遠くなるような時間と手間がかかる。私の出国までには残り5日間しか無く、それまでに解決する事は不可能である。幸い社用車なので手続きは会社が代行出来るが、これがもし個人名義だったら・・・・売却できず大きな損失を被る事になっていたであろう。くわばらくわばら。

     

4年間で約20km走行した
私の相棒
Peugeot 406

Balik pulau
にある商用車検査場
コンピュータ管理で検査は流れ作業

検査官はエンジンナンバーが
オリジナルでは無いと判定した
     
     
その後この問題はバターワースからKLJPJ本部に移管された。車両をKLに持ち込み、メーカー(Mbf Peugeot)に証明書を発行してもらう事で解決した様である。私がマレーシアを離れてから3ヵ月後の事である。

20039月28日)

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