1気圧はなぜ760mmHgなのか


こんな事をした事がありませんか?

風呂にコップを沈めまして、逆さまにして水面より上まで引き上げます。

するとどうなりますか?

そうですね、コップの中では水面よりも上まで水が満たされますね。

でもなぜ、コップの中は、図の右側(B)の様にならないのでしょうか? 水にも質量が有るから、Bの様になるのが自然ではありませんか?

水面より上の水が、質量が有るのに落ちてこないのは、落ちない理由があるからです。(理科のお話1

具体的には「水面より下の水が支えている」からです。

でもそうすると、「水面より下の水が支えている」理由が必要ですね。

そこで登場しますのが、あの「パスカルの原理」です。

まず、空気にも質量が有る事を思い出して下さい。

水面の上には空気が乗っかっているのですから、空気の重さによって水面は空気によって押されています。これが「大気圧」ですね。

で、この圧力は「パスカルの原理」で、水平方向にも伝わります。ですから、その力は水面より上の水を押し上げる方向にも伝わります。これが「水面より上に水が保持される理由」です。

ですから、結局「水を支えているのは大気圧」なんです。

ここまでOK?

ところでこの理屈でいけば、水面より上の水が、大気圧で支えられないほどに重くなれば、水は落ちてくるはずですよね?

そういう事は簡単には起きないのですが、起きない事もありません。

例えば、深さが10mを超える様な大きなコップがあったとしたら、そういう事は起きます。

約10m位の水があれば、その重さで生じる水圧と、大気圧が釣り合います。

ですからそれよりもコップを大きく(長く)しても、その部分には水が入りません。(大気が支えきれないから)ですからそこは基本的には真空になります。(正確には蒸気圧の分だけズレますが、その事はややこしいので、最初の段階では無視しましょう。)

では、この「約10m」という数字がどうして出てくるのかを、まず説明してみましょう。(これを理解する事が、1atm=760mmHgの意味を理解するのに不可欠なんでね)

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