乾電池(マンガン電池)

−Zn|NH4Claq|MnO2,C+

我々が普段使っている「乾電池」がコレ。

MnO2が正極なので、水素は出ない。だから分極しない。つまり、MnO2は減極剤とも言える。

反応を段階別に分けて書くと、

陰極1:Zn → Zn2+ + 2e-

陰極2:Zn2+ + 4NH3 → [Zn(NH3)4]2+

陽極1:2H+ + 2e- → H2

陽極2:H2 + MnO2 + ZnCl2 → MnCl2 + Zn(OH)2

となる。

陰極で生じたZn2+は、溶媒に含まれるアンモニウムイオンのため錯体を生じ、[Zn(NH3)4]2+となる。こうなることで、陰極付近のZn2+濃度が上がることが防止でき、逆反応が起きることを防止できる。(分極しにくい訳ね)

乾電池には他に、「アルカリ乾電池」があるが、構造はほとんど同じである。違いは溶媒に塩化アンモニウムではなく水酸化ナトリウムを用いている点である。

陽極では(一時的にではあるが)水素ガスが発生する。そのため反応全体の逆反応はできない。だから充電できない。

マンガン電池・アルカリ電池は充電できません。危険ですから、絶対にやめてください!

乾電池は「乾燥した電池」という意味ですが、それはもともと電池というものは液体だったからです。(ボルタ・ダニエル電池を考えてみよう)

でも液体の電池では、こぼれたりするのでとても危険でした。そこで電解液を土等にしみ込ませて、こぼれないようにしたのが、この乾電池なんです。(日本人が発明しました。が、私は名前を忘れてしまいました。御存じの方、メールを下さいm(_ _)m)

この乾電池の登場により、安全に電池が使えるようになり、電気機器が普及しました。という訳で、「乾燥した」という事はとても重要なんです。だから名前になっているんですね。


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