さて、二重結合は仕組が単結合と違いますので、いくつか独特の性質を持ちます。
前のページで書きましたとおり、二重結合の内π結合は、「p軌道が隣り合う事で溶け合って生じる結合」です。
ですから距離が離れると、この結合はできません。
ですから、二重結合をσ結合の回りで回転させると、π軌道は切れてしまいます。
つまり、二重結合は回転させられない、ねじる事ができないんです。無理にやるとπ結合が切れてしまいます。
ですから、右の絵に描きましたブタンC4H10は、二種類とも同じ物です。
しかし、右に描いたブテンC4H8は、ブテンではあるのですが、種類が違います。
左下に描いてあるのは CIS-ブテン、右下に描いてあるのは TRANS-ブテン と呼びます。別物なんです。
だって、二重結合はねじれると切れるから、回転出来ないからなんですね。
これで二重結合は終わりです。
が、以上の説明でも、まだ説明出来ない分子構造があります。
三重結合を伴う分子にある事があるsp混成軌道というのが、まだ残っています。
次は、その説明をしましょう。