ところで「水素」は常に二個の原子が合体して H2 の形で存在して、一個だけの原子 H では行動しないのですね。いつも二人連れ立って行動します。
なぜでしょう?
そうです、「バラバラで行動する H よりも、合体して行動するH2 の方が安定するから」ですね。言い方を変えると、「バラバラで行動する H よりも、合体して行動するH2 の方がエネルギーが低くなるから」
文字で書くと分かり難いから、図を使って考えましょう。
縦軸にエネルギーを採ってみます。
上ほどエネルギーが高いので不安定、下ほど安定を意味します。
で、「理科のお話」で書きましたように、自然は安定を求めます。安定しよう、安定しようと変化は起きます。川が高いところから低いところへ流れるのと同じ理由です。
ですから、H は二個合体して、H2になりたがる訳です。
逆にはならないですね。だって川は上流に向かっては流れないでしょ?(揚子江やアマゾン川の逆流は例外ですよ。あれは理由が違うからね) 自然は、自発的には、不安定になることはしません。必ず安定を求めます。ですから、水素は分子で行動するのですね。