水素は燃えると水になりますね。これは簡単に(爆発という形で)反応は起き、かなりの熱が出ます。
しかし、逆は起きないでしょう?
もしこれを起こそうとしたら、電気分解という大掛かりな方法が必要になりますでしょ?
もっとハッキリした例を挙げると、
メタンが燃える熱を書いてみました。
二酸化炭素と水が生じます。これも容易に起きる反応です。マッチの火を近づけてやれば十分です。
しかし逆反応は起きません。二酸化炭素と水を混ぜても、メタンはできません。
なぜ反応には、決まった向きがあるのでしょう?
それはエネルギーを例の図で書けば分かります。
ね、自然は安定しようとするから、エネルギーが低い方向にしか変化が起きない訳ですね。
さらに、水素やメタンが燃えた時に熱が出る事も分かります。
上の図をさらに正確に描きますと、
エネルギーの差が2H2 + O2 と 2H2O では 484 kJ の差があるのですね。
言い換えれば、不等式で書けば、
[2H2とO2の持つエネルギー] > [2H2Oの持つエネルギー]
なのですが、その差を考慮すると、
[2H2とO2の持つエネルギー] = [2H2Oの持つエネルギー] + 484kJ
という方程式が書ける訳です。
で、反応により分子の持つエネルギーが減少する(だから反応する)のですが、理科のお話で書きましたように、エネルギーは消えたり、無くなったりしませんから、484kJ のエネルギーが余る訳です。それが、反応した時に熱が生じる原因です。
まとめますと、
の場合しか、基本的には反応が起きない訳です。