示性式

構造式では不便、分子式では分からない


エタノールもジメチルエーテルも分子式はどちらも、C26O ですが、性質はかなり違います。

ですから、有機化学を考える上で、分子式は適当ではありません。

じゃあ、いちいち構造式を書くのかと言えば、それは不便ですね。

また、エタノールの分子式は C26O ですし、プロパノールは C38O で、違います。が性質は似ているんですね。(水酸基がついてるから) つまり、CとHで出来ている部分は、いちいち書かなくても、分子の性質を考える上ではあまり関係ありません。

そこで、分子の性質に関わる部分だけきちんと構造を書き、関係無い部分は省略して書く書き方を示性式(しせいしき)と言います

また同時に、官能基自身も、全構造を描かなくても、「水酸基だ」とか「カルボキシル基だ」とかが分かれば、(構造は分かりきっているから)細かく書く必要はありませんね。そこで表のように略して書きます。

例えばエタノールでしたら、いちいち構造を書かなくても、CH3−CH2−OHと書けば、十分意味が分かりますね。(この場合は、C25−OH でも良いです)

こうすれば、ジメチルエーテルはCH3−O−CH3と書け、エタノールとの違いがはっきり分かるし、構造式ほど書くのに手間は掛からないですね。

参考のために、上に出てきた構造式を、示性式で書いてみましょう。

(書き方は一通りではないので、他の書き方でも良いです)

メタン:CH4

エタン:CH3−CH3

エタノール:CH3−CH2−OH

メチルエーテル:CH3−O−CH3

プロパノール:CH3−CH2−CH2−OH

メチルエチルエーテル:CH3−CH2−O−CH3

アセトアルデヒド:CH3−CHO

プロピルアルデヒド:CH3−CH2−CHO

ここからは、特に必要がある場合を除いて、示性式で説明しますね。

次のページへ


独学ための有機化学の「次のページ」へ独学ための有機化学へ目次へ


This page hosted by Get your own Free Homepage
Hosted by www.Geocities.ws

 1