南緯60度に陸地が無い事に注目!
では、鈴木さんの解説を引用させて頂きましょう。
ケッペンの気候区分の基準温度の生物学的な根拠は、ひとことでいえば「植生帯分布との平行性の検討」からきているようです。
ケッペン気候区分は、植生を基準に分けています。
ただケッペンはいきなり気候区分をはじめたわけではなく その前に行っていた温度帯・雨地域などの研究の結果、 ある特定の気候値の等値線が、各種の植物分布と しばしばよく対応することを見つけていたようです。
#もう100年近く前の話ですが。。
ケッペンは植物学者の作った植生分布の境界線を、 気温・降水量とその年変化の特徴から、多少強引にでも タイプ分けできたらいいなぁ、という思想をもって、 いわゆる”植物の生理学的類型の気候学的よみかえを計った” ということのようです。そうした結果、一つ一つの植生分布について 「樹木限界は最暖月"10℃"の等温線によく対応している」 といった平行性が議論されていったようなのです
#もっと昔の学者の中には0℃、10℃、20℃と、きりのよい数字で 気候帯をわけた人もいたようですが、ケッペンほど ヒットしなかった、みたいですね。
AからFの各分類界は、さらに以下のように植物の名前によっても 細かく細かく分類されてます(ケッペン,1900)
A:(最寒月"18℃"以上&十分な降水量を具える月が1ヶ月以上)
A1:つる植物気候,A2:バオバブ気候または熱帯サバンナ気候
B:(十分な雨季を欠く)--省略--
C:(最寒月"18℃"以下で最暖月"22℃"以上か最寒月6℃以上)
C1:ツバキ気候,C2:ヒッコリー気候,C3:トウモロコシ気候
C4:オリーブ気候,C5:エリカ気候
D:(最暖月"10〜22℃"最寒月6℃以下&冬は積雪、暖候期は十分な降水量あり)
D1:カシワ気候,D2:シラカンバ気候,D3:ブナ気候
E:(最暖月"10〜0℃")*高木はもはや生育せず
E1:北極ギツネ気候または北極ツンドラ気候(気温年較差大)
E2:ペンギン気候または南極気候(気温年較差小)
E3:ヤク気候またはpamir気候
E4:アルプスカモシカ気候または高山帯高地気候
F:(最暖月"0℃"以下)*生物を欠く永久凍結界
これらは後にケッペン自身によっても改良が加えられていきますが
1)まず生存極限地域として「cold」と「dry」をあげています 具体的には「永久氷雪地域」と「乾燥砂漠地域」そして、これらへ の移行地域である「ツンドラ地域」と「ステップ地域」 この4つを残りの生存可能地域「高木気候地域」と分けています
2)つぎに生存可能地域「高木気候地域」について、温度帯を設定し 加えて降水量の年変化パターンを重ねながら分類しています
の思想は変わってないようです
*おまけ*
ただ、これを日本にそのまま適用しようとすると、 太平洋側と日本海側の違いを表現できず、実際には 植生分布も気候も特徴が違うのになぁ。。。
という問題が残るようです。
[鈴木さんの解説は以上]
鈴木さん、解説を有り難うございました。m(_ _)m