先のエタノール(C2H5OH)の低温脱水のところで、
という反応を考えました。
生成物質を見てください。「−O−」という結合がありますね。これを「エーテル結合」と言い、この結合を持つ化合物を「エーテル」と言います。
エーテルは一般に水に溶けず(早い話が油なんです)、中性で、芳香を持ちます。
上のC2H5−O−C2H5は、二つ(ジ)のC2H5−(エタン)がくっついていますから、ジエチルエーテルと言います。
ですから、CH3−O−CH3だと「ジメチルエーテル」、CH3−O−C2H5だと「メチルエチルエーテル」になります。
さて、一般に有機溶媒(まあ、液体の有機物質と思って下さい)は無極性溶媒です。つまり水とは交じり合いません。要するに「油」なんです。で、イオンは電荷を帯びているので水和します(水に溶けます)が、有機化合物は大抵は水には溶けません。
逆に有機化合物は、有機溶媒には溶けますが、イオンは溶けません。
有機溶媒の代表が、ベンゼンとエーテルでしょう。
つまりエーテルは、有機化合物を溶かし込みます。
平たく言えば、こういう事です。
ベンゼン(有機化合物です)は油ですから、水には溶けません。しかしエーテルには溶けるという事です。
この話は後のエーテル抽出で詳しくやりますので、今は「エーテルは水に溶けない油なんだ」とだけ知っておいて下さい。
製作中
独学ための有機化学の「次のページ」へ:独学ための有機化学へ:目次へ