PH:酸、塩基性の強さ

硫酸も酢酸も炭酸も「酸」です。しかし「程度」はだいぶ違います。濃度にも依りますが、酢酸や炭酸が手にかかったところで、別に何てことはないですが、(大体、酢酸は御酢ですし、炭酸はサイダーですからねぇ)硫酸がかかったら大変ですね。同じ「酸」にもいろいろあります。

アンモニア水酸化ナトリウムも「塩基性」です。ですがやはり濃度次第ですが、アンモニア水が手にかかっても、危険は小さい(場合に依りますが)ですが、水酸化ナトリウムは危険です。「塩基性」にも「度合い」があります。

「酸が強い」というのは[H+]が大きい事ですし、「塩基が強い」というのは[OH-]が大きい、言い換えると[H+]が小さい事を意味します。(水のイオン積参照)

ここで「桁が大切」を思い出して下さい。

[H+]=1.0・10-5 と [H+]=2.0・10-5 の差は大した問題ではないのです。二倍三倍はどうでも良いんですよ。酸・塩基の違いは「値」ではなくて「桁」なんです。

そこで[H+]の桁を「酸・塩基の度合いを表す指標」に使えます。

桁を取り出す道具として大切なのが、数学2で出てきた「常用対数」つまり「log10」です。それを「PH(そのまま「ぴーえいち」と読みます)」と言います。

PH = −log10[H+]

と定義しましょう。すると、[H+]=1.0・10-5と[H+]=2.0・10-5の酸の強さが二倍ではなく、大差が無い事が分かりますよ。

PH = −log[1.0・10-5] = 5.0

PH = −log[2.0・10-5] = 4.7

ね、0.3しか違わないでしょ?

ではPHを使って「酸・塩基」を考えましょう。

中性では[H+]=・10-7ですから、中性ではPH=7です。

酸性では[H+]が10-7より大きいので、「−log」をとると、7より小さい値になります。つまり「PHが7未満の場合を酸」と言います。逆に「PHが7を越えると塩基」です。

PH=6と言えば、弱い酸です。PH=2なんかになれば、すごく強い酸です。

PH=8位なら、弱い塩基です。PH=12なんかだと、かなり強い塩基です。

  1. 実際にPHを求めよう(その1)
  2. 実際にPHを求めよう(その2)
  3. 実際にPHを求めよう(その3)
  4. 実際にPHを求めよう(その4)
  5. 実際にPHを求めよう(その5)


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